Logo header1

Environment Protection Technologies 環境保全と環境技術

森の守り人(2020年)

2020年

2020年1月

社有林に生息する希少種「クマゲラ」

三菱マテリアルの森には多くの希少種が生息しています。今回はその中から、国の天然記念物であり、環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類にも指定されているクマゲラについてご紹介いたします。

キツツキ類のクマゲラは、日本全国に広がる三菱マテリアルの森のうち、特に北海道の山林において、比較的広範囲で確認されています。特徴は何といっても、カラスほどの大きな黒い体にトレードマークの赤い帽子。

キツツキ類は、木をつついて音で縄張りを主張する「ドラミング」を行なうことが知られています。キツツキと聞いて一般的に想像するのは、「コココココンッ」という軽やかな音ですが、クマゲラの場合は「ゴゴゴゴゴッ!!」という豪快な音を発します。その一方で、飛び立つときは「コロコロコロコロ...」と独特の愛らしい鳴き方をするため、広い森の中でも比較的容易にその存在を感じることができます。

クマゲラは好奇心が強いのか警戒心が薄いのか、私たちが林内に立ち入って森林の調査を行っていると、すぐ近くまで遊びに来てくれることもあります。そんなクマゲラですが、春になると木の穴に巣作りして子育てを行うので、この時期に林内で作業を行う場合は、クマゲラの子育てを邪魔しないよう細心の注意を払っています。

クマゲラをはじめとする希少種の保全に努めるのはもちろんのことですが、その他多くの動植物についても、その特性等について理解を深め、必要に応じて生息場所や巣の位置をマッピングしてチーム内での共有を図るなど、適切な生物多様性の保全に努めることも私たちの大事な役目です。

三菱マテリアルの森に生息するクマゲラ
三菱マテリアルの森に生息するクマゲラ
三菱マテリアルの森に生息するクマゲラ

このページの先頭へ戻る

2020年4月

三菱マテリアルの森に今年も春の訪れ

長く寒い冬の間も、木の太さや高さなどを計測し、森の成長を観察している「森の守り人」である私たちにとって、春はもっとも待ち遠しい季節です。

澄んだ空気のなか、ザクザクと残雪を踏みしめながら林内を歩くと、水分を含んでキラキラと光る地面に、フキノトウ、エゾエンゴサク、カタクリ、ヒメイチゲ、ニリンソウなど、早春の草花を見つけることができます。冬には静まりかえっていた林の中も、春の陽気に誘われた小鳥の声で包まれ、土の匂いが香り、木々の新芽も少しずつ淡い緑色を広げていくのがわかります。

新型コロナウィルス感染症の拡大により、私たち森の守り人も大幅な活動の制限を余儀なくされていますが、今年も変わらず三菱マテリアルの森に春がやってきました。活動自粛により行動を制約される方も多いと思いますが、改めて癒しや安らぎを提供する自然の魅力、美しさと、それが変わらずに営まれることの大切さを実感していただければありがたいです。

フキノトウ フキノトウ

エゾエンゴサク エゾエンゴサク

カタクリ カタクリ

ヒメイチゲ ヒメイチゲ

キビタキ キビタキ

新緑の葉を広げるミズキ 新緑の葉を広げるミズキ

ニリンソウが咲く清流 ニリンソウが咲く清流

このページの先頭へ戻る

2020年7月

「天然力を活かした森づくり」を実現するためのモニタリング調査

三菱マテリアルの森では、天然力を活かした森づくりを目指しており、植栽した木のみならず、自然に生えてくるさまざまな木々も含めた多様な森を扱っています。そのため、私たち森の守り人は森をよく観察し、その仕組みを理解し、上手く活かすため、森林内に多くの定点調査地を設け、定期的なモニタリング調査を行うことで森の状態とその変遷の把握に努めています。

定点調査地でのモニタリング調査では、木の種類、太さ、高さ、質、安定性、林床の植生、天然の種子から発芽した幼木などを調査し、

• 間伐により、明るく健全な森林になったか?
• 林内の草花などの生物の数は増えたか?
• 残した木は太く元気に育ったか?
• 天然に生えた木も順調に生育しているか?

など、多くのことを確認していきます。森は一見変化していないような錯覚を感じてしまいますが、こうして詳細に森林を調べてみると、確かに木は太く高く成長し、森林環境も絶えず変化していることを実感することができ、将来に繋がる大事な仕事をしているのだという実感が湧いてきます。

私たちが取り組む森づくりは、一朝一夕で成るものではなく、100年、あるいはもっと長い期間を要します。また、天然の力を利用するがゆえに、必ずしも思い通りにいかないこともあります。だからこそ、こうしたモニタリング調査を今後も確実に継続し、そのデータをもとに臨機応変に森づくりを改善していくことで、私たちの理想とする社有林の姿へと近づけてまいります。

天然木の混じりあう森 - 100年先の森の姿を考える 天然木の混じりあう森 - 100年先の森の姿を考える

間伐後の草本の回復状況を調査 間伐後の草本の回復状況を調査

天然に発芽した木(ホオノキ) 天然に発芽した木(ホオノキ)

このページの先頭へ戻る

2020年10月

オンライン木育授業に初挑戦!

三菱マテリアルの森では、植樹祭などの環境イベントを毎年開催しておりますが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、現地イベントは全て中止となってしまいました。この状況下でも、森の守り人である私たちにできる社会貢献はないかと考えておりましたところ、縁あって北海道池田町林業グループが主催するオンライン木育プロジェクトに講師として参加させていただきました。

同プロジェクトは、全国から参加いただいた6名の子どもたちを対象に開催され、全4回ある授業のうち、初回の8月4日に当社が担当しました。私たちは授業を通して
「森は楽しく、人の生活を豊かにしてくれる」
ことを伝えたいと、森が多くの生物によって成り立っていることや、私たちに何をもたらしてくれるのかについて、子どもたちと話し合いました。
今回、初めての森遊びを楽しんだという後日談や、地球温暖化などの環境問題に興味を持ったという感想、プログラム最終回で子ども達が発表してくれた「森や木を使ってしたいこと」も実に楽しそうな内容ばかりで、私たちのメッセージも伝わったと嬉しく思いました。

授業中に「木も痛みを感じるのですか?」と質問がありました。子どもならではの素朴な質問ですが、私たち森の守り人にとって重要な問いであると思いました。
ドイツの森林管理官ペーター・ウォールレーベン氏の著書によると、木々は互いにコミュニケーションを取り、助け合う性質があるなど、想像以上に「人間らしい」側面があるそうで、木に「痛い」という感情があっても不思議ではありません。間伐で木を伐るという行為も、その痛みを知った上で慎重に行わなければならないのだと改めて実感する機会となりました。
今回のオンライン木育プロジェクトは、教えるだけではなく、子どもたちから教えられる機会となり、私たち森の守り人にとって大変貴重なものでした。今後も是非こうしたオンラインツールを通じても、子どもたちと森について話し合う機会を作っていきたいと思います。

オンライン木育授業の様子 オンライン木育授業の様子

授業で使用したスライド 授業で使用したスライド

三菱マテリアル株式会社, MBS, 株式会社ディ・エフ・エフ, 株式会社トランス・アジア, 株式会社アイディアシップ, KPMGあずさサステナビリティ