当社は、世界中のリサイクラーから受け入れたE-Scrap(廃基板類を主としたリサイクル原料)を製錬し、有価金属へと再生する資源循環事業を行っています。当該事業において新たな付加価値を実現するため、サプライヤーであるリサイクラー・商社とでスピーディ、かつ簡単に取引業務ができるE-Scrapビジネスプラットフォーム(MEX)を開発し、2021年12月にサービス提供を開始しました。MEX(Mitsubishi Materials E-Scrap EXchange)は、E-Scrapの納入予約から買い取り価格まで、24時間いつでも簡単な操作で確認できることに加えて、納入後のE-Scrapの処理状況をリアルタイムで確認できます。また、ISO27001などの情報セキュリティマネジメントシステムに関する主要規格に対応し、高度なセキュリティを確保することにより、E-Scrap取引に関わる情報の透明性を高めるとともに、利便性を高めることによって、より多くのサプライヤーの満足度を向上させ、当社のE-Scrap納入先としての魅力を高めています。
MEXはサービス提供を開始して以降、機能追加・開発を進め、サービス向上を図ってきました。今後もE-Scrapビジネス全体に関係するステークホルダーに対してニーズのある機能(法令・規制対応、顧客業務の効率化等)を提供することで、当社のE-Scrapビジネスに不可欠なインフラを目指していきます。
銅加工事業、電子材料事業において新たな付加価値を実現する取り組みとして、顧客満足度の向上を目的とした顧客接点の高度化に取り組んでいます。
これまでSFAツールやBIツールの導入により営業活動の見える化を実現しており、顧客・商談データの分析・活用を通じて意思決定の迅速化を図っています。
また、電子材料事業においては、製造・販売部門間の迅速な連携、顧客への回答スピード向上、それによる顧客満足度向上のために、製販間連携システムを導入しています。
今後は、顧客向けポータルサイトやマーケティング施策遂行により、顧客への情報発信、接点強化を図る予定です。
加工事業カンパニーでは、デジタルを活用してお客さまの課題解消を支援し、安定的かつ付加価値の高いサービスを提供するため、マーケットインテリジェンスの強化に取り組んでいます。2023年度に統合刷新した新グローバルWEBサイトを中心に、ソリューションプラットフォームや海外EC(Electronic Commerce)サイトを組み合わせ、CRM(Customer Relationship Management)ソリューションとの連携を構築してきました。これにより、ブランド認知からお客さまの工具選定支援、アフターフォローまで一貫したデジタルサービス実現を目指しています。
ソリューションプラットフォームでは、工具選定のノウハウをWEBアプリとして提供し、切削効率向上や寿命改善の実現、被削材、加工条件、工具など、複数条件の組み合わせから最適な工具を自動的に提示し、顧客課題の解消を支援します。新グローバルWEBサイトやECの顧客情報とともに、各システムから得られたデータを分析、CRMへ連携することで、営業フォローや案件管理、開発部門との情報共有による技術支援や製品開発への活用を推進しています。今後、さらなる機能の拡張、サービス提供エリアの展開を図り、デジタル体験を通じた顧客の課題解消、利便性向上を実現するとともに、カンパニー全体グローバルでデータ駆動型の事業運営を高度化し、効果創出へ取り組んでいきます。