三菱マテリアル

Strengthening Response to SCQ Issues SCQ課題への対応強化

コーポレート・ガバナンスの強化

コーポレート・ガバナンス

基本的な考え方

当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は以下のとおりです。

  • 当社は、取締役会が定める当社グループの企業理念、ビジョン、価値観、行動規範、私たちの目指す姿およびコーポレート・ガバナンス基本方針等に基づき、株主、投資家をはじめ従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会等の当社および当社子会社に係る全てのステークホルダーとの信頼関係を構築するとともに、コーポレート・ガバナンスを整備しています。
  • 当社は、会社法上の機関設計として、指名委員会等設置会社を採用し、監督と執行を分離することにより、取締役会の経営監督機能の強化、経営の透明性・公正性の向上および業務執行の意思決定の迅速化を図っています。
  • 当社は、コーポレート・ガバナンスの強化を経営の最重要課題のひとつとして、継続的に改善に取り組みます。

当社グループは、世の中にとって不可欠な基礎素材・部材を供給するとともに、リサイクル事業、再生可能エネルギー事業を有する複合事業体でありますので、業務執行を機動的かつ適切なものとするため、社内カンパニー制度を導入しています。

企業統治の体制の概要

取締役会

取締役会の役割・責務は以下のとおりです。

  • 株主からの委託を受け、経営の方向性を示すとともに、経営方針や経営改革等について自由闊達で建設的な議論を行うこと等により、当社グループの中長期的な企業価値の向上に努める。
  • 法令、定款および取締役会規則の定めに基づき、経営方針や経営改革等、経営に重大な影響を及ぼす可能性のある事項について決定する。
  • 執行役が、自らの責任・権限において、経営環境の変化に対応した意思決定、業務執行を担うことができるよう、取締役会規則等の定めに基づき、適切な範囲の業務執行の権限を執行役に委譲し、業務執行の意思決定の迅速化を図る。
  • グループガバナンスの状況や経営戦略の進捗を含む業務執行の状況について執行役より定期的に報告を受け、監督する。

なお、社外取締役は、取締役および執行役の職務執行の妥当性について客観的な立場から監督を行うことや、専門的な知識や社内出身役員と異なる経験から会社経営に対して多様な価値観を提供することを通じ、取締役会の監督機能をより高める役割を担っています。取締役会は、11名(うち社外取締役7名)の取締役で構成され、議長は竹内章(取締役会長)が務めています。

コーポレート・ガバナンス体制の概要(2024年7月1日時点)

コーポレート・ガバナンス体制の概要(2023年7月1日時点)

指名委員会

指名委員会は、取締役候補者の指名の方針、株主総会に提出する取締役の選解任に関する議案の内容等を決定するほか、執行役の選解任等について、取締役会からの諮問を受けて審議を行い、取締役会に答申します。また、執行役社長の後継者候補およびその育成計画について審議するとともに、後継者候補の育成が適切に行われるよう監督します。次期執行役社長の候補者については、取締役会からの諮問に基づき審議し、答申します。
指名委員会は、委員の過半数を独立社外取締役によって構成することとし、委員長は独立社外取締役が務めることとしています。現在、指名委員会は5名(全員が社外取締役)の取締役で構成され、委員長は若林辰雄(独立社外取締役)が務めています。

監査委員会

監査委員会は、内部統制システムを活用した監査を通じて、または選定監査委員が直接、取締役および執行役の職務の適法性および妥当性の監査を行います。 監査委員会は、委員の過半数を独立社外取締役によって構成することとし、委員長は独立社外取締役が務めることとしています。また、監査委員会監査の実効性を向上させるため、常勤監査委員1名を選定しています。現在、監査委員会は5名(うち社外取締役4名)の取締役で構成され、委員長は武田和彦(独立社外取締役)が務めています。

報酬委員会

報酬委員会は、取締役および執行役が受ける個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針を定め、その方針に従い、取締役および執行役が受ける個人別の報酬等の内容を決定します。 報酬委員会は、委員の過半数を独立社外取締役によって構成することとし、委員長は独立社外取締役が務めることとしています。現在、報酬委員会は3名(全員が社外取締役)の取締役で構成され、委員長は杉光(独立社外取締役)が務めています。

サステナビリティ委員会

サステナビリティ委員会は、サステナビリティを巡る課題への対応方針等について、取締役会から諮問を受けて検討を行い、その内容を取締役会に答申します。 サステナビリティ委員会は、委員の過半数を独立社外取締役によって構成することとし、委員長は独立社外取締役が務めることとしています。現在、サステナビリティ委員会は4名(うち社外取締役3名)の取締役で構成され、委員長は五十嵐弘司(独立社外取締役)が務めています。

※取締役がより高いパフォーマンスを発揮できるよう、各取締役が兼務する委員会数および各委員会における適切な委員の人数を見直し、報酬委員会およびサステナビリティ委員会については2024年6月26日付で委員数を減員しました(報酬委員会は5名から3名へ減員、サステナビリティ委員会は5名から4名へ減員)。

なお、委員減員後も、委員以外の社外取締役のオブザーバー参加を認めることにより社外取締役間の情報格差を解消するほか、必要に応じて執行役社長等を委員会に出席させ、説明・意見等を聴取することとしています。

執行役

執行役は、取締役会からの権限委譲に基づき、定められた職務分掌等に従い、業務の執行を行います。執行役は8名であり、執行役のうち、執行役社長である小野直樹、執行役常務である柴田周は、取締役会の決議により、代表執行役に選定されています。

戦略経営会議

戦略経営会議は、取締役会から権限委譲を受けて、当社グループ全体の経営に係わる特に重要な事項について審議および決定を行います。戦略経営会議は、執行役社長およびコーポレート部門各部署担当の執行役で構成されており、議長は執行役社長が務めています。

サステナビリティ審議会・サステナビリティレビュー

サステナビリティに関する取り組みとして、従来のガバナンスレビューおよびガバナンス情報共有会議に代わり、2024年度からサステナビリティ審議会およびサステナビリティレビューを実施しています。
取り扱うテーマについては、これまでのガバナンス関係事項(安全、衛生、人権、コンプライアンス、環境、品質、コミュニケーション、情報セキュリティ)から、地球環境問題対応と人的資本経営の経営課題も含めたサステナビリティ関係事項としています。
サステナビリティ審議会は、本社と事業部門等の間で、事業年度開始前(3月)に、上記のサステナビリティ関係事項に関する方針や計画を審議し決定する場としています。
また、サステナビリティレビューは、サステナビリティ審議会で決定した方針および計画に基づく活動について、事業部門等ごとに事業年度内に1回以上、進捗報告を行う場としています。
これらの会議は、執行役および関係部署の部長等によって構成されており、会議を通じて情報を共有しフォローアップできる体制を構築しています。

取締役候補者の指名および取締役の解任並びに執行役の選解任等

取締役候補者の指名および取締役の解任に関する方針

経営の方向性を決定し、かつ、業務執行状況を監督する役割を有する取締役会は、専門知識や経験等が異なる多様な人材をもって構成することを基本方針としています。特に、社外取締役候補者については、企業経営(当社グループ類似業種、異業種等)・組織運営に関する経験・知見を有する人材、および財務・会計、法務、生産技術、研究開発、営業販売、国際関係等に関する幅広く高度な専門知識や豊富な経験を有する人材で構成されるよう考慮しています。
上記の構成に関する基本方針を踏まえ、取締役候補者には、性別、国籍、人種等の個人の属性に関わらず、

  • 見識、人格に優れた人物
  • 高い倫理感および遵法精神を有する人物
  • 会社経営に対する監督および経営の方向性を決定する職責を適切に果たすことができる人物

を指名することとし、さらに、独立社外取締役候補者についてはこれらに加え、

  • 当社グループと重大な利害関係がなく、独立性を保つことができる人物

を指名することとしています。具体的な人選は、指名委員会において審議のうえ、決定します。

なお、取締役が以下の事由に該当した場合、指名委員会は、当該取締役の解任について株主総会に提案する議案の内容を決定することができることとしています。
・取締役に、法令または定款に違反する重大な事実があったとき
・取締役が、その職務の執行に関し著しい不正の行為をしたとき
・取締役として備えるべき判断能力を欠くまたは事理を弁識する能力が著しく不十分であるとき
・著しく長期間にわたり取締役会に出席することができないことが見込まれるとき

また、当社は、社外取締役について、(株)東京証券取引所が定める独立性基準および以下に掲げる各要件に該当する場合は、独立性がないと判断します。

1.現在または過去のいずれかの時点において、次の(1)、(2)のいずれかに該当する者

  1. 当社の業務執行者または業務執行者でない取締役(社外取締役を除く)
  2. 当社の子会社の業務執行者または業務執行者でない取締役

2.現在において、次の(1)~(5)のいずれかに該当する者

  1. 当社との取引先で、取引額が当社または取引先の直前事業年度の連結売上高の2%以上である会社の業務執行者
  2. 専門家、コンサルタント等として、直前事業年度において当社から役員報酬以外に1,000万円以上の報酬を受けている者
  3. 当社からの寄付が、直前事業年度において1,000万円以上の組織の業務執行者
  4. 当社総議決権数の10%以上を直接もしくは間接に保有する株主またはその業務執行者
  5. 当社の会計監査人またはその社員等

3.過去3年間のいずれかの時点において、上記2の(1)~(5)のいずれかに該当していた者

4.上記1の(1)、(2)、上記2の(1)~(5)または上記3のいずれかに掲げる者(重要でない者を除く。)の近親者

5.当社の社外取締役としての在任期間が8年を超える者

執行役選解任方針

業務執行を担当する執行役の選任にあたっては、性別、国籍、人種等の個人の属性に関わらず、

  • 見識・人格に優れた人物
  • 高い倫理感および遵法精神を有する人物
  • 会社経営や当社グループの事業・業務に精通した人物

を選任することとしています。
選任の手続きとしては、まず、執行役社長が、必要に応じて関係役員と協議のうえ、執行役選任原案を策定します。その後、指名委員会での審議・答申を踏まえ、執行役社長が取締役会へ執行役選任議案を上程し、経歴や実績、専門知識等の諸要素を総合的に勘案したうえで、取締役会の決議により選任します。
また、これらの基準に照らして、著しく適格性に欠ける事象が生じた場合、取締役の提案により、指名委員会での審議を経て、取締役会の決議により解任することとしています。

取締役の専門性と経験

取締役が有する主な専門性および経験を表1のスキルマトリックスに図示しています。また、中期経営戦略2030の達成に向けて、取締役が、スキルマトリックスに示したそれぞれが有する専門性および経験に基づき、どのような視点から貢献し、知見を提供しているかを、表2に記載しています。

【表1】取締役の専門性と経験(スキルマトリックス)

取締役の専門性と経験(スキルマトリックス)

  • ○ 有している専門性・経験(● は主たるもの)。
  • ※ 上記スキルマトリックスは各取締役が有するすべての知見を表すものではありません。

【表2】主要テーマに対する取締役の貢献・提供視点

主要テーマに対する取締役の貢献・提供視点

  • ※: 取締役について貢献度の高い項目を中心に記載しています。

役員報酬等の決定に関する方針

当社グループの中長期的な企業価値の向上を牽引する優秀な経営者人材にとって魅力的な報酬制度とするとともに、株主をはじめとしたステークホルダーに対する説明責任を果たすことができる報酬ガバナンスを構築することを目的とし、以下のとおり取締役および執行役(以下、役員)の報酬の決定方針および報酬体系を定めています。

役員報酬の決定方針
  1. 当社グループと類似の業態・規模の企業と比べ、競争力のある報酬水準となる制度とする。
  2. 各役員が担う役割・責務に対する成果や中長期的な企業価値の向上に対する貢献を公平・公正に評価し、これを報酬に反映する。
  3. 執行役の報酬については、当社グループの中長期的な企業価値の向上を図る健全なインセンティブとして機能させるため、基本報酬、事業年度ごとの業績等の評価に基づく年次賞与、中長期的な業績や企業価値に連動する中長期インセンティブである株式報酬により構成するものとし、報酬構成割合は役位に応じて適切に設定する。但し、取締役(取締役と執行役を兼任する者を除く)の報酬については、執行役の職務執行の監督を担うという機能・役割に鑑み、金銭による基本報酬のみを原則とする。但し、氏名、監査、報酬、サステナビリティ各委員会の委員長を務める取締役に対しては、その職責に鑑み、基本報酬に加えて手当を支給する。
  4. 年次賞与は、事業年度ごとの業績を重視しつつ、TSR(株主総利回り)の相対的な評価結果および中長期的な経営戦略の執行役ごとの遂行状況等を適切に評価し、これを報酬に反映する。

TSR評価

  1. 中長期インセンティブは、中長期的な企業価値の向上を図るため、株主との利益意識の共有を実現する株式報酬とする。
  2. 報酬の決定方針および個人別の支給額については、過半数を独立社外取締役によって構成する報酬委員会で審議し決定する。
  3. 株主をはじめとしたステークホルダーが業績等と報酬との関連性をモニタリングできるよう必要な情報を積極的に開示する。
役員報酬体系
  1. 取締役(取締役と執行役を兼任する者を除く)
    取締役の報酬体系は、金銭による基本報酬のみを原則とする。但し、指名、監査、報酬、サステナビリティ各委員会の委員長を務める取締役に対しては、その職責に鑑み、基本報酬に加えて手当を支給する。金額については、外部専門家の調査に基づく他社報酬水準を参考に取締役としての役位、常勤・非常勤の別等を個別に勘案し決定する。
  2. 執行役
    執行役の報酬体系は、固定報酬である基本報酬と業績連動報酬である年次賞与および株式報酬で構成する。また、報酬構成割合は、執行役社長において、「基本報酬:年次賞与:株式報酬=1.0:0.6:0.4」(年次賞与については支給率100%の場合)を目安とし、その他の執行役は、業績連動報酬の基本報酬に対する比率を執行役社長より低めに設定する。
    また、その報酬水準については、外部専門家の調査に基づく同輩企業(報酬委員会が定める同規模企業群)の報酬水準を参考に決定する。

<基本報酬>

基本報酬は、固定報酬として役位に応じ金銭で支払う。

<年次賞与(短期インセンティブ報酬)>

年次賞与は、単年度の連結営業利益、TSRの相対比較、執行役ごとに設定する非財務目標の遂行状況によって決定する。

具体的な評価項目は以下のとおりとする。

【評価項目】
  1. 本業の収益力を測る連結営業利益(事業系執行役は担当事業営業利益)による評価
    なお、連結営業利益評価(評価係数)には、マーケットの成長以上の成長を意識付けるため、連結営業利益成長率の他社比較による調整係数をかけ合わせる(国内非鉄6社および国内同規模製造業を中心とした比較対象企業を選定し相対比較)
  2. TSRの相対比較(国内非鉄6社および国内同規模製造業を中心とした比較対象企業を選定し相対比較)(以下、「相対TSR評価」という。)
  3. 短期的な業績には表れにくい、中長期的な企業価値の向上に向けた取り組み、およびサステナビリティ基本方針に沿った取り組み等について、執行役ごとに期初に設定した目標に対する遂行状況等を評価する非財務評価

※サステナビリティ基本方針の項目

  1. 安全と健康最優先の労働環境整備
  2. 人権尊重
  3. ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進
  4. ステークホルダーとの共存共栄
  5. ガバナンス強化とコンプライアンス・リスクマネジメントの徹底
  6. 公正・適正な取引と責任ある調達
  7. 安心・安全・高付加価値な製品の安定的提供
  8. 地球環境保全への積極的取り組み
【算定式】

目標を達成した場合に支給する額(年次賞与基本額)を100%とし、個人別に、以下の算定式により算出する。
年次賞与=役位別の年次賞与基本額×業績評価支給率

  • ※ 業績評価支給率は、業績の達成度に応じ0%~約200%の範囲で変動
【評価ウェイト】

役位に応じた年次賞与基本額を、連結営業利益評価(事業系執行役は担当事業営業利益評価)を60%(連結営業利益成長率の他社比較により調整)、相対TSR評価を20%、非財務評価を20%の割合で評価し、年次賞与額を決定する。

評価ウェイト

【年次賞与における連結営業利益の目標】

年次賞与における連結営業利益の目標については、原則、中期経営戦略における当期の連結営業利益計画値を適用する(担当事業営業利益については、当該担当事業に係る連結営業利益計画値を用いる)こととしている。

<株式報酬(中長期インセンティブ報酬)

株式報酬は、株主との利益意識の共有を実現し、当社グループの中長期的な企業価値向上のインセンティブとして機能させることを目的として、信託の仕組みを利用した制度とし、執行役の退任時に役位に応じた当社普通株式および当社普通株式の換価処分金相当額の金銭を交付および給付(以下、交付等)する。交付する株式については、業績条件・株価条件を設けない。

なお、国内非居住者については、法令その他の事情により、これとは異なる取り扱いを設けることがある。

  • ※ 役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託と称される仕組みを採用し、執行役に当社普通株式の交付等を行う。信託期間中、各事業年度の執行役の役位に応じて付与するポイントを累積し、執行役の退任後、当該累積ポイント数の70%に相当する当社普通株式(単元未満株式については切り捨て)および残りの累積ポイント数に相当する当社普通株式の換価処分金相当額の金銭を役員報酬として交付等するインセンティブプランである。1ポイント=当社普通株式1株とし、信託期間中に株式分割・株式併合等が生じた場合には、当社株式の分割比率・併合比率等に応じて、1ポイント当たりの当社株式数を調整する。なお、当事業年度を含む3事業年度(2023年度から2025年度まで)において執行役に対して付与するポイント数の上限は、合計で14万ポイントです。

<報酬の返還請求等(マルス・クローバック制度)>

  • 執行役に法令や善管注意義務への違反等が発生した場合、報酬委員会の決議を経て、年次賞与については受給権の剥奪または支給後の返還請求を、株式報酬については当社株式等の交付等を受ける権利の剥奪または累積ポイント数相当額の金銭の返還請求をすることができます。
  • なお、当事業年度の役員の個人別の報酬等については、役員報酬の決定方針に基づいて定められた報酬体系に従って決定されていることから、報酬委員会は、当事業年度における個人別の報酬等の内容が役員報酬の決定方針に沿うものであると判断しています。

執行役(執行役社長を除く)の年次賞与(短期インセンティブ報酬)における非財務評価項目の内容(2024年度)

各執行役は、非財務評価項目として3つの目標を設定し、そのうち1項目はサステナビリティ課題とするよう義務付けています。これら3つの目標は、さらに2~3個の小項目に細分化され、それぞれの項目について目標を設定しています。以下の表は、2024年度の目標として設定している非財務評価項目の内容を、サステナビリティ基本方針等に基づいて分類したものです。
なお、2024年度は、ダイバーシティ&インクルージョンの推進、とりわけ、女性管理職比率に関する目標設定を義務付けています。これ以外に、複数の執行役が、地球環境保全への積極的な取り組みに関する目標を設定しています。

サステナビリティ基本方針に沿った項目 執行役
A B C D E F G
安全と健康最優先の労働環境整備          
人権尊重            
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進
ステークホルダーとの共存共栄              
ガバナンス強化とコンプライアンス・リスクマネジメントの徹底        
公正・適正な取引と責任ある調達          
安心・安全・高付加価値な製品の安定的提供              
地球環境保全への積極的取り組み    

取締役および執行役の報酬等の額(2023年度)

役員区分 報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類
金銭報酬 非金銭報酬
基本報酬 賞与(業績連動報酬) 株式報酬
総額
(百万円)
対象人員
(名)
総額
(百万円)
対象人員
(名)
総額
(百万円)
対象人員
(名)
取締役
(社外取締役を除く)
88 88 1
執行役 489 312 9 76 9 100 9
社外役員 126 126 7
  • ※1 取締役と執行役を兼任する者に対して支給された報酬等の総額および対象人員については、執行役の欄に記載しています。
  • ※2 2023年度末日現在の取締役は11名、執行役は9名です。
  • ※3 当社は信託の仕組みを利用した株式報酬を導入しており、上記株式報酬の額は2023年度の費用計上額を記載しています。

報酬等の総額が1億円以上である役員(2023年度)

氏名 役員区分 報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類
(百万円)
金銭報酬 非金銭報酬
基本報酬 賞与(業績連動報酬) 株式報酬
小野 直樹 執行役 104 63 16 25
  • ※1 小野直樹は、取締役と執行役を兼任していますが、上記「取締役および執行役の報酬等の額」の表中において役員区分「執行役」に含めて記載をしているため、本表においても役員区分を「執行役」としています。
  • ※2 当社は信託の仕組みを利用した株式報酬を導入しており、上記株式報酬の額は2023年度の費用計上額を記載しています。

年次賞与における連結営業利益の目標および実績

年次賞与における連結営業利益の目標については、原則、中期経営戦略における当期の連結営業利益計画値を適用する(担当事業営業利益については、当該担当事業に係る連結営業利益計画値を用いる)こととしている。
なお、当事業年度に係る賞与の算定に用いた業績連動指標の目標値および実績値は次のとおり。

取締役会の開催・出席・在任状況

当社取締役会は、定期的な開催に加え、適宜臨時に開催しています。2023年度は、19回開催しました。取締役会の実効性を確保するために、各取締役には極力すべての取締役会への出席を求めており、2023年度の出席率は100%でした。指名委員会(14回開催)、監査委員会(17回開催)、報酬委員会(9回)およびサステナビリティ委員会(9回開催)においても、概ね100%の出席率を維持しています。

取締役会の開催・出席状況(2023年度)

  取締役会 指名委員会 監査委員会 報酬委員会 サステナビリティ委員会
開催回数 19 14 17 9 9 68
全取締役の出席率(%) 100 100 100 98 100 100
社外取締役の出席率(%) 100 100 100 98 100 100

当社における取締役の任期は、1年です。現職の取締役の2024年7月時点における平均在任期間は4.6年、過去5年に退任した取締役の平均在任期間は3.3年です。

取締役の平均任期(2024年7月現在)

取締役会の実効性評価

当社では毎年、各取締役による評価に基づき、取締役会の実効性についての分析・評価を行っており、2021年度には、初めて第三者機関を起用してこれを実施しました。なお、今後、第三者機関を起用した評価については、3年に1回実施することとしています。
2023年度の実効性評価については、自己評価(アンケートによる評価)方式にてこれを実施しました。また、2023年度より新たに、取締役(執行役兼務者を除く)が、他の取締役の取締役会等への貢献について相互にコメントし合う取り組みを行いました。評価の方法および結果の概要は以下のとおりです。

分析・評価方法
  1. 評価の実施プロセス
    • 2023年12月~2024年1月 取締役会議長の主導により、取締役11名全員に対してアンケートを配布し、回答を回収しました。
    • 2024年2月上旬 取締役(執行役兼務者を除く)に対し、他の取締役の貢献に関するコメント回答票を配布し、回答を回収しました。
    • 2024年2月下旬 取締役は、アンケートの回答結果の分析に基づき、取締役会の実効性について協議しました。
    • 2024年3月 2月の協議内容を踏まえ、取締役会において2023年度の取締役会の実効性について決議しました。また、2月上旬に回収したコメント回答票については、匿名で各対象取締役にフィードバックされました。
  2. アンケートの項目

    以下に関する設問について、4段階(1.とてもそう思う、2.そう思う、3.そう思わない、4.全くそう思わない)で評価する方式とし、必要に応じて自由記述欄を設けました。

    • 取締役(会)の果たすべき役割に関する自己評価
    • 取締役会の規模・構成・取締役会の運営状況
    • 指名、監査、報酬、サステナビリティ各委員会の構成・役割・運営状況
    • 社外取締役に対する支援体制
    • 投資家・株主との関係
    • その他取締役会全般に関する事項 等
2022年度評価に基づく2023年度課題への取り組み状況についての評価

2022年度の取締役会実効性評価の結果を踏まえ、当社取締役会が2023年度に一層の改善に取り組んだ以下の事項については、概ね「改善がなされた」との評価であったものの、一部の事項については、「取り組みが十分でない」との評価がなされました。

  1. 取締役への説明(資料)に関する取り組み
    • 執行側からの取締役に対する説明資料については、よりシンプルで分かりやすく方向性が明確なものとなるよう、「役員が知るべきことや議論すべき経営上の重要事項にフォーカスした内容とする」「予定どおり進捗している案件については極力簡潔に記載する」「競合他社の動向などの外部環境変化や当社グループの置かれている状況等の経緯・背景を記載する」といった点に留意しました。あわせて、執行役からの説明についても、短時間で簡潔なものとするよう努めるほか、取締役会付議事項について、取締役からの事前質問を受け付ける取り組みなどを行いました。
    • また、経営判断の前提となる当社事業に関する情報の提供等については、引き続き取締役説明会において説明し、社外取締役との間の情報の非対称性の解消を図りました。
    •  アンケートでは「執行側からの説明については、より重要なポイントに絞った内容となるようさらに工夫してもらいたい」といった意見が見られましたが、取り組みそのものについては概ね高評価でした。
  2. 当社の中長期的競争優位性に関する取り組み
    • 当社の中長期的競争優位性をもとに策定された中期経営戦略2030(以下、「中経2030」という)の浸透と発信を行うことで、資本市場へのアピールを図りました。具体的には、中経2030に対する投資家・アナリスト等の理解を深めることを目的として、事業別の戦略説明会等を行ったほか、当社の既存事業および中経2030の各種施策への理解を促進すべく、証券アナリスト・機関投資家を対象に、国内拠点での工場見学会を実施しました。
    • 上記のとおり取り組みを行ってきたものの、アンケートでは「当社の理念や方向性についての説明は適時行っていると思うが、実績が伴っていない」「短期の利益計画実現のための個別対応に終始してしまうことが多く、中長期的な競争優位性を発信する状況に至っていない」といった意見が見られました。
  3. 指名委員会と他の取締役との間の情報共有に関する取り組み
    • 取締役会の決議を要する事項(指名委員会では答申事項となるもので、主には執行役選任等に関する情報)について議論を深化させるとともに、委員以外の取締役との情報共有を図りました。具体的には、社外取締役意見交換会において、執行役社長から執行役の後継者計画等に関する説明を受け、議論を行いました。
    • さらに、執行役社長の後継者計画の検討状況についても、社外取締役意見交換会において執行役社長から情報提供を受けたほか、社外取締役候補者の検討状況については、指名委員会から取締役会に対して都度進捗報告を行いました。
    •  上記のとおり取り組みを行った結果、アンケートにおける評価は、昨年度よりも改善しました。
  4. 人材戦略に係る取締役会の監督に関する取り組み
    • 取締役説明会において、各執行役が所管する組織における多様性推進(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン、DE&I)の状況について説明を受け、議論した。
    • また、執行役の年次賞与にかかる非財務評価項目として、全ての執行役についてDE&Iに関連する目標を設定し、その進捗状況について、取締役会において定期的に報告を受け、議論した。
    • 上記のとおり取り組みを行った結果、アンケートの評価は、昨年度よりも改善した。
2023年度の評価結果の概要

取締役会における審議の結果、2023年度の当社取締役会の実効性は確保されていることが確認されました。評価を通じて、「当社取締役会の最も重要なミッションの1つである企業価値向上に向けて、取締役会運営のさらなる改善に努めつつ、2024年度は以下の事項を一層改善するよう取り組んでいく」ことを確認しました。
・経営コア人材の育成について
・当社の中長期的競争優位性について
※アンケートにおける次の設問に対して、取締役11名中、6名が「そうは思わない」、5名が「そう思う」との回答で、否定的回答が肯定的回答を上回りました。
・経営コア人材の育成について、取締役会において十分な議論が行われていると考えますか。
・当社の中長期的な競争優位性(事業戦略、経営陣の資質、ガバナンス体制等)が、資本市場に十分伝わっていると考えますか。

上記に関する取締役からの意見の概要は、以下のとおりです。

  1. 経営コア人材の育成について
    • 評価等を通じて、当社の執行役後継者計画や次世代経営人材育成プログラム等には、以下の点に改善の余地があるとの指摘がなされました。
    • 後継者人材像の多様化
    • 執行役後継候補に占める、次世代経営人材育成プログラム選抜者の数と比率の向上
    • 次世代経営人材育成プログラムと、登用・抜擢等の人事施策との連動の強化
    • 次世代経営人材の管理職層・若手層における早期の見極め・計画的なストレッチアサインメント
  2. 当社の中長期的競争優位性について
    • アンケート結果については、「2022年度評価に基づく2023年度課題への取り組み状況についての評価」の2.2.(2)をご覧ください。
    • 取締役協議においては、「当社の競争優位性や経営戦略そのものについての議論と、対外的な説明・開示内容については切り分けて議論する必要があり、当社においてはまず前者について、より一層深い検討・議論が必要である」との指摘がなされました。
さらなる実効性向上に向けた2024年度の取り組み

2023年度の取締役会の実効性評価の結果を踏まえ、当社取締役会が2024年度に取り組む実効性向上施策は、以下のとおりです。

  1. 経営コア人材の育成についての対応
    • 執行役後継者計画および次世代経営人材プログラムについて、取締役説明会において執行側より説明を受け、「2023年度の評価結果の概要」の1.に記載している点を中心に議論を行います。
  2. 当社の中長期的競争優位性についての対応
    • 当社の中長期的競争優位性をどのような点に見出すか(どのような点に特に力を入れていくべきか)について、取締役間で議論を行います。(なお、取締役間での議論に際して執行側から説明を受けるべき事項があれば、適宜取締役説明会を開催します。)
    • 当該議論の内容は、中経2030のPhase1の最終年度である2025年度に向けて行い、必要に応じてPhase2の見直しに繋げます。

監査の状況

監査委員会による監査の状況

監査委員会は、内部統制システムの運用状況、中期経営戦略実施上のリスクと対応状況、労働安全の対策および独占禁止法遵守のための対策を含むサステナビリティ課題への取り組み状況、会計監査人の監査方法および監査結果の妥当性等を検討しています。
そのために、取締役、執行役、内部監査担当部署、その他内部統制所管部門等からその職務の執行状況を聴取し、重要な決裁書類等を閲覧し、監査委員会が定めた監査委員会監査基準および監査計画等に従い、選定監査委員が本社および主要な事業所において業務および財産の状況を調査し、必要に応じて子会社等の往査を実施して、取締役および執行役の職務執行状況を監査する体制をとっています。また、グループの監査体制について実効性を高めるため、主要グループ会社の監査役と定期的に会合を持つなど、連携強化に努めています。さらに、三様監査全体の実効性を高めるため、監査委員会、内部監査部門および会計監査人が打ち合わせを行い、連携強化を図っています。
常勤監査委員は、執行役社長との定例ミーティングや執行役との面談を実施し、意見交換を行っています。そのほか、コーポレート部門からの報告を定期的あるいは適宜受け、指摘あるいは提言を行っています。また、戦略経営会議、グループ経営会議、予算審議、ものづくり・R&D戦略会議、サステナビリティ審議会等の重要会議への出席や関係会社を含む国内外の事業拠点への往査等による監査を通じて、気づき事項についての指摘あるいは提言を行っています。
監査委員長武田和彦は、上場企業の主要子会社において最高財務責任者(CFO)としての経験があり、財務および会計に関する相当の知見を有しています。
監査委員会の職務を補助するための組織として監査委員会室を設置し、監査委員会の指揮下においています。

内部監査の状況

内部監査担当部署であるコーポレート部門監査部・カンパニー監査部は2024年6月26日現在、各監査部長を含む29名で構成されています。各担当執行役の指示のもと、監査委員会と連携して、担当執行役および監査委員会の承認を得た内部監査計画に基づき、当社グループにおける会社業務の有効性・効率性、財務報告の信頼性、資産の保全・有効活用状況、リスク管理状況、法令等および社内諸規則・基準の遵守状況等についての監査を行っています。また、会計監査人と情報の共有化を図り、緊密な連携をもって監査を実施しています。
コーポレート部門監査部は、担当執行役および監査委員会に対して定期的に全社の監査結果の報告を行っており、また、取締役会に対しては、担当執行役より定期的に全社の監査結果の報告を行っています。

会計監査人の選任および解任・不再任の方針

監査委員会は、会計監査人について、①専門性、独立性、適時・適切性、品質管理およびガバナンス体制、②当社の多業種・グローバルな事業展開への対応能力、③会計監査業務の効率性、④監査委員会および経営者等とのコミュニケーション、⑤法定事由に基づく解任要件への該当有無、⑥継続監査期間、を確認して選任し、これらに問題がある場合は、解任・不再任とする方針としています。
また、監査委員会では、会計監査人について、評価および選定基準を定め、執行役、社内関係部署および会計監査人から必要な資料を入手しかつ報告を受け、総合的に評価しています。

内部統制

内部統制については、2006年1月の内部統制システム整備委員会設置以降、会社法、金融商品取引法等への対応のみならず、当社およびグループ会社に最適な内部統制システムの充実を図るため、内部統制整備の基本方針策定、財務報告に係る内部統制評価・開示制度に関する事項への対応等を行ってきました。
2023年度の財務報告に係る内部統制評価については、2024年6月に「内部統制報告書」を提出しており、監査法人から「その内容が適正である」という無限定適正意見の表明を受けています。

政策保有株式の保有状況

当社は、事業戦略上必要である場合を除き、純投資目的以外の株式(政策保有株式)を取得・保有しない方針としています。
政策保有株式について、毎年取締役会において、保有の妥当性を具体的に精査し、保有の適否を検証しており、検証の結果、保有意義が認められない政策保有株式は縮減します。

2023年度の保有状況

2023年度においては、当社は政策保有株式(2023年4月1日時点で保有していた上場株式6銘柄)のうち、2銘柄の全部または一部の売却を行い、1銘柄を新規取得したため、2024年3月末時点の保有上場株式は6銘柄となりました。
2024年3月末時点の政策保有株式の貸借対照表計上額は上場株式が約201億円、非上場株式が約22億円、みなし保有株式の評価額は約87億円となり、その合計額は2024年3月期当社連結純資産の4.6%にあたります。

政策保有株式保有状況推移

2021年
3月末
2022年
3月末
2023年
3月末
2024年
3月末
銘柄数 上場 43 30 6 6
非上場 106 99 56 54
みなし保有 4 3 2 1
合計 153 132 64 61
合計額
(億円)
上場 1,167 647 149 201
非上場 28 61 23 22
みなし保有 176 137 79 87
合計 1,372 847 253 312

連結純資産に占める政策保有株式割合(%)

連結純資産に占める政策保有株式割合(%)

三菱マテリアル株式会社

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