「私たちは、安全と健康をすべてに優先します」という当社の行動規範のもと、全社的に衛生・健康の増進に取り組んでいます。特に、有害物質取扱業務については、職業性疾病の予防を重視し、作業環境の管理や労働衛生保護具(呼吸用保護具、保護手袋等)の着用を徹底するなど、ばく露リスクの低減に継続的に取り組んでいます。また、過去に有害物質取扱業務(石綿ばく露業務含む)に常時従事していた従業員に対しては、退職するまでの間、特殊健康診断を継続実施しています。海外赴任者に対しては、赴任先の国や地域で重要課題となっているHIV、マラリア、黄熱、狂犬病等の感染症に対する予防対策を含む健康教育を赴任前のオリエンテーションで実施し、厚生労働省検疫所が渡航地域別に推奨するワクチンの予防接種を会社の費用負担で行うなど、世界的な健康問題に対して積極的に対応しています。
さらに、2018年より導入している健康管理システムでは、健診結果等の健康管理情報を電子データ化して一元管理し、就業判定実施などに活用し、これを産業保健スタッフが運用しています。また、2020年9月にはシステムのバージョンアップにより、より精度の高い事後措置やデータ分析も可能としました。さらに2023年10月にはカスタマイズを行い、健康経営活動の重点実施項目として設定している再検査受診率の集計を実現しました。今後も、実効性の高い健康増進策の立案・実施を展開していきます。
当社では、メンタルヘルスケアの取り組みとして、まず不調者の発生を予防するために、各種メンタルヘルス研修を継続的に実施しています。具体的には、全従業員を対象としたセルフケア研修、全管理監督者を対象としたラインケア研修に加え、各階層別での研修を開催しています。また、2018年度からは、入社3年目の全従業員を対象に、各事業所に配属された臨床心理士による面談を実施し、メンタルヘルス不調者発生の予防に努めています。
メンタルヘルス不調者が発生した場合には、発生時の対応方針やフロー、相談窓口を全従業員へ周知し、従業員が安心して相談できる環境を整備しているほか、各拠点の産業保健スタッフによる面談や相談を継続的に実施しています。休業者に対しては、職場復帰支援プログラムを提供し、外部のリワークプログラムも活用して、スムーズな復職をサポートしています。
なお、ストレスチェックは、50名未満の事業所を含む全拠点で一斉に実施しており、高ストレス判定となった従業員には、必要に応じて医師による面接指導を行い、さらに、その前段として産業保健スタッフ(保健師、臨床心理士)による面談も実施しています。また、集団分析結果の属性別や経年変化の分析を行い、事業部門と情報を共有することで課題の把握と対策を立案しています。引き続き、従業員が働きやすい職場環境づくりを進めていきます。
従来、当社グループは従業員の安全と健康を最優先事項と位置付け、各事業所にてさまざまな取り組みを行ってきましたが、少子高齢化やメンタルヘルス対策、治療と仕事の両立等、全社的に取り組むべき課題が浮上しています。そのため、当社では、従業員の健康管理を経営課題と位置付け、戦略的な「健康経営」に全社的に取り組むことを決定しました。三菱マテリアル健康保険組合とも連携しながら、従業員とその家族の心身の健康づくりを推進しています。
具体的には、2020年10月に「三菱マテリアルグループ健康経営宣言」を制定し、その後、執行役社長を本部長としたSCQ推進本部傘下の専門部会として「健康経営推進部会」が発足、健康保持・増進に関するさまざまな取り組みを全社で実施してきました。
各施策の進捗状況は定期的に各執行役が参加するSCQ推進本部でも報告しています。さらに、SCQ推進担当執行役より戦略経営会議および取締役会に報告され、適切にモニタリングされています。
当社グループの中期経営戦略にあわせて、健康経営においても中期的な目標を設定しています。死亡リスクを高める要因の高血圧、糖尿病、喫煙、並びにメンタルヘルスに関する指標である各拠点の「健康いきいき度」について、中期的な数値目標を定め、計画的に取り組んでいくことにしています。また、従業員の過重労働を防止するため、全社時短方針のもと「過重労働防止対策計画等の策定と周知」、「面接指導該当者への対応継続実施」等の取り組みを実施しています。これらの過重労働防止の取り組みは労使で開催する労働時間削減に関する会議体において確実な進捗を図っています。
各事業所は、全社で定めた重点活動項目に基づいて、従業員の健康維持・増進に向けた計画的な取り組みを行っています。2023年9月には、健康企業宣言東京推進協議会が制度設計を行っている「健康優良企業認定制度」において、健康保険組合連合会東京連合会により「健康優良企業(金の認定)」に初認定され、さらに2024年3月には、経済産業省が推進する「健康経営優良法人認定制度」にて、日本健康会議より「健康経営優良法人2024(大規模法人部門「ホワイト500」)に初認定されました。
今後も、衛生・健康推進活動を進め、健康経営を通じて、従業員がより健康でいきいきと働ける職場を実現し、会社と従業員の双方に実りのある活動を展開していきます。
三菱マテリアルグループは「人と社会と地球のために」を企業理念とし、その行動規範に「安全と健康をすべてに優先させる」を掲げ、労働災害の防止や労働衛生の確保、社員の健康管理に最大限の努力を払い継続的改善を行っていきます。
具体的には、働き方改革の取り組みや社員とその家族の心と身体の健康づくりに向けての対策を健康保険組合との連携のもと展開していきます。
また、世界的感染症等新たな疾病対応についても、社員と家族のための感染予防・健康づくりに努めていきます。
当社の「健康経営の取り組み」はこちらからご確認ください。