三菱マテリアル

Strengthening Measures to Address Global Environmental Issues 地球環境問題対応の強化

再生可能エネルギーの開発・利用促進

「伝熱パテ」の使用イメージ

次世代型パワーモジュール向け焼結型結合材料

大湯水力発電所

都市インフラ活用型地中熱利用システムの概要図

再生可能エネルギーの創出

当社では、鉱山や製錬所に必要な電気を供給するため、再生可能エネルギーの開発を進めてきました。これまでに培ってきたノウハウを活かして、環境影響の少ないエネルギーを安定供給するため、地熱発電、水力発電等を中心とした再生可能エネルギーの創出を進めています。

地図

  • ※ 当社のバイオガス発電事業は、2024年9月30日付で事業譲渡しました。

地熱発電事業

既存発電所の安定的な操業に向けて

当社は、秋田県鹿角市八幡平地区に大沼地熱発電所、澄川地熱発電所(蒸気供給のみ;発電は東北電力(株))、および秋田県湯沢市高松・秋ノ宮地区の山葵沢地熱発電所(電源開発(株)および三菱ガス化学(株)とともに設立した湯沢地熱(株)が所有)を有し、また、岩手県八幡平市の安比地熱発電所(三菱ガス化学(株)、電源開発(株)とともに設立した安比地熱(株)が保有)が、2024年3月1日に営業運転を開始し、安定したクリーンな電力を生み出しています。2023年度の総発電電力量は622GWh(当社持ち分等を考慮した場合、うち328GWh)であり、当社地熱発電所および蒸気供給設備の操業によるCO2排出削減効果は約136万t(東北電力(株)澄川地熱発電所分、湯沢地熱(株)山葵沢地熱発電所当社持分より算出)に相当します。
地熱発電は、見えない地下の状況を把握して、蒸気を継続的かつ安定的に供給することが重要です。澄川地熱発電所においては、今後も発電電力量の向上を目指して、運転開始以降のデータの詳細な検証、地質構造の再解析等で地下の状態を把握し、安定した操業を継続します。

新たな地熱開発に向けて

当社では前項の地熱発電所に加え、新規プロジェクトにも取り組んでいます。2021年8月から大沼地熱発電所の北東に位置する菰ノ森地域(鹿角市)において、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の助成金を活用した地熱資源量調査を開始しました。また、2022年6月からは安比地熱発電所の東側に位置する安比川上流地域(八幡平市)において、JOGMECの助成金を活用した地熱資源量調査を開始済みです。さらに、2022年5月に恵山地域(函館市)の地熱調査・開発を手掛ける合同会社はこだて恵山地熱に出資し、(株)レノバおよび大和エナジー・インフラ(株)とともに資源調査、環境影響評価を経て地熱発電所の建設に携わっています。
また、福島県吾妻・安達太良地域においても他社と共同で調査を継続しています。

山葵沢地熱発電所山葵沢地熱発電所(秋田県)
事業主体:湯沢地熱(株)
2019年5月運転開始
出力:46,199kW

安比地熱発電所(岩手県)安比地熱発電所(岩手県)
事業主体:安比地熱(株)
2024年3月運転開始
出力:14,900kW

安比地熱発電所の営業運転開始について
~山葵沢地熱発電所に続く、3社による地熱発電共同事業~

当社、三菱ガス化学(株)および電源開発(株)の共同出資会社である安比地熱(株)は、2019年8月から安比地熱発電所の建設を進め、2024年3月1日に営業運転を開始しました。
標高約1,130mの高地に位置する本発電所は、わが国におけるCO2排出量抑制と電力安定供給に貢献するため、岩手県八幡平地域の有望な地熱資源を活用して、発電出力14,900kWにて操業を行います。岩手県において発電出力10,000kWを超える地熱発電所の稼働は28年ぶりとなります。発電された電力の全量は、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を活用して社会に供給します。

なお、本事業は独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構より地熱資源開発資金債務保証事業として採択されているものです。
安比地熱発電所の安定稼働を通じて、再生可能エネルギーの活用拡大に貢献していきます。

安比地熱発電所 安比地熱発電所全景

位置図 位置図

北海道函館市恵山地域における新規地熱開発へ参画中

当社は、2022年5月、(株)レノバ(東京都中央区、代表取締役社長CEO 木南陽介)、大和エナジー・インフラ(株)(東京都千代田区、代表取締役社長 松田守正)の新たな事業パートナーとして、「合同会社はこだて恵山地熱」へ出資しました。同社は2016年の設立以来、北海道函館市恵山地域での新規地熱発電所開発を目指して事業開発を進めています。
当社は、長年にわたる炭鉱や金属鉱山の開発・経営を通じて培った豊富な経験と高い技術力を、水力発電、地熱発電に活かしています。地熱発電に関しては、1974年に大沼地熱発電所(秋田県)の運転を開始して以来、澄川地熱発電所(秋田県、1995年運転開始)、山葵沢地熱発電所(秋田県、2019年運転開始)、安比地熱発電所(岩手県、2024年運転開始)の建設・操業に中核として関わっています。
当社は、これまでも「地熱等再生可能エネルギーの開発・利用促進」に取り組んでおり、本事業についても出資を通じて当社の経験と技術力を活かし、プロジェクトの成功に貢献します。

写真掘削調査の様子

水力発電事業

当社の水力発電事業の歴史は1898年からと古く、秋田県において、尾去沢鉱山(金鉱山として開山、後に銅鉱山として操業し、1978年に閉山)の動力用電力の供給等を目的として水力発電所が7ヵ所建設されました。そのうち1ヵ所はダム建設により2000年に水没補償されたため、現在6ヵ所が稼働中であり、発電された電力の全量を電力会社に売電しています。2014年から水力発電所の高経年対策として3ヵ所の設備更新が無事完成し、2018年3月に、大湯発電所(鹿角市)の設備更新が終了しました。また、2019年5月に、秋田県北秋田市小又川水系において、1953年に完成した小又川第四発電所以来の新規水力発電所となる小又川新発電所の建設を開始し、2022年12月に運転を開始しました。また、2021年度から1,000kW前後の小規模な水力発電所の新設を目指して、複数の地点で調査を開始しています。
2023年度の全6ヵ所の水力発電所による発電電力量は108GWhであり、当社の水力発電所操業によるCO2排出削減効果は約4万tに相当します。

小又川新水力発電所(秋田県)小又川新発電所(秋田県)
事業主体:三菱マテリアル(株)
2022年12月運転開始
出力:10,326kW

太陽光発電事業

2013年より、当社グループの遊休地を活用して、新たに太陽光発電事業に取り組んできました。三菱HCキャピタル(株)との合弁事業として、2017年までに真壁(茨城県)、福井、鳥越(福岡県)、入釜(宮城県)、矢吹(福島県)の5ヵ所で発電所を建設し、順調に運転を継続しています。2022年度の全5ヵ所の太陽光発電所による発電電力量は29GWh(うち当社持分は14GWh)であり、これらの発電所操業によるCO2排出削減効果(当社持分)は約1万tに相当します。

入釜太陽光発電所入釜太陽光発電所(宮城県)
事業主体:エルエムサンパワー(株)
2015年1月運転開始
出力:6,930kW

バイオガス発電事業

当社の連結子会社として2018年に設立したニューエナジーふじみ野(株)において、食品廃棄物の処理により得られたバイオガスを用いて発電(出力550kW)を行っています。2023年度のバイオガス発電による発電電力量は3GWh(うち当社持分は2GWh)です。

  • ※ 当社のバイオガス発電事業は、2024年9月30日付で事業譲渡しました。

写真

再生可能エネルギーによるCO2排出削減効果

再生可能エネルギーによるCO2排出削減効果(発電所持分を考慮)

グラフ

  • ※ 経済産業省(METI)が定める商用電力のCO2排出係数を基に再計算しています。
  • ※ 当社のバイオガス発電事業は、2024年9月30日付で事業譲渡しました。

再生可能エネルギーの発電目標

グラフ

  • ※ 地熱発電所への蒸気供給(蒸気を電力量換算で販売)。

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地中熱ヒートポンプシステム

再生可能エネルギー熱である地中熱利用の普及により、脱炭素社会の実現に貢献

三菱マテリアルテクノ(株)は、トータルエンジニアリング企業として、2000年から再生可能エネルギー熱である地中熱事業に参入し、企画提案から調査・設計・施工・メンテナンスまでを一貫して提供しています。
地中熱技術力No.1を目指し続け、国プロ等による継続的な技術開発と特許技術の保有により、一般的な「ボアホール方式」のみならず、同社の特許工法である「基礎杭方式」「水平方式」「土留壁方式」と多様な熱交換方式を実用化し、地中熱のインフラ化に成功しました。現在は、これらの技術を“都市インフラ活用型地中熱利用システム”として営業展開しており、将来的には「スマートシティへの貢献」を目指しています。
同社の地中熱導入実績は約130件あり、2020年以降では、八幡平市立病院でボアホール方式(深度100m×120本)と水平方式(敷設溝長さ約100m×9ユニット)の組み合わせによる日本最大規模の案件が竣工し、横浜市役所で基礎杭方式(場所打ち杭66杭)による首都圏最大級の案件が竣工する等、地中熱の大規模な活用が進みつつあります。なお、「横浜市役所の環境・設備計画と実施」の業績については、横浜市や(株)竹中工務店らとともに、(公社)空気調和・衛生工学会の第60回学会賞技術賞(建築設備部門)を2022年5月に同社が受賞しました。これからも再生可能エネルギーである地中熱利用の普及を通じて、脱炭素社会の実現に貢献していきます。

都市インフラ活用型地中熱利用システムの概要図

都市インフラ活用型地中熱利用システムの概要図

熱交換方式種類と各実績の一例

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CO2回収・有効利用・貯留(CCUS)

CO2回収・有効利用・貯留(CCUS)に向けて

当社は、CO2回収・有効利用に向けて、工場から排出されるCO2を回収する実証試験を開始しています(詳細は、下記リンクをご参照ください)。
また、CO2回収・貯留については、当社は、2008年5月に設立された日本CCS調査(株)に出資し、同社を通じて、苫小牧CCS大規模実証試験、CO2貯留適地調査事業に関与しています。

三菱マテリアル株式会社

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