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(気候変動への対応)考え方・実績・目標

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CCS概念図

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車載用高輝度LED向けメタルベース基板

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次世代型パワーモジュール向け焼結型結合材料

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大沼地熱発電所

気候変動・水リスクに関するリスクと機会

現在、人為起源の温室効果ガスの排出に伴う地球温暖化は疑いようのない状況となっています。暴風雨、洪水、干ばつ等の異常気象による被害件数が増加、その規模も拡大しており、グローバル経済へのリスクとして危機感が強まっています。
当社グループは、環境方針に基づき、事業所ごとに目標を掲げCO2排出削減を進めるとともに、気候変動に関連するリスクと機会について評価と管理を行っています。
各拠点における気候変動に関連する物理的リスクについては、異常気象に伴う豪雨・洪水や高潮・渇水等の急性と慢性リスクによる被害等の水リスクも含めて全社リスクマネジメント活動において管理しています。
また、移行リスクとしては、温室効果ガス排出に対する規制(排出量取引制度等)が強化された場合には、当社事業の全てに財務リスクが発生する可能性があります。特に、セメント事業は、エネルギー起源のCO2に加えて、主原料である石灰石の熱分解においてもCO2が排出されるため、当該財務への影響が大きいと考えます。
一方で、省エネ・CO2排出削減に貢献する技術や製品、サービスの需要が拡大することが予想され、ビジネス機会が増大する可能性もあります。当社グループは、脱炭素化に貢献する素材・製品・技術の開発、地熱発電などの再生可能エネルギーの開発・利用促進、CO2回収・貯留に関する実証試験・適地調査事業への参画、所有する山林の保全活動などに取り組んでいます。

TCFD提言への賛同

当社グループは、2020年3月、金融安定理事会により設置された気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同するとともに、同提言に賛同する企業や金融機関等からなるTCFDコンソーシアムへ参画しました。引き続き、気候変動に関連する自社のリスクと機会の適切な評価・管理を通じて、中長期的な経営戦略及びリスク管理への反映の検討を進め、同提言に基づいた情報開示を積極的に行います。

ガバナンス

当社では地球温暖化に関連するリスクと機会への戦略的取り組みについて、全社的な経営戦略と連携して企画・推進するため、2019年4月に経営企画部の中に「地球環境室」を設置しました。また、2020年4月に新設した「サステナブル経営推進本部」の専門部会である「気候変動対応部会」では、TCFD提言に基づいたシナリオ分析の検討、温室効果ガス削減目標の設定及びその他気候変動に関する協議、情報共有、推進を進めています。同部会活動のモニタリングについては、「サステナブル経営推進本部」における報告・審議等を経た上で、四半期毎に執行役会、取締役会に報告することとしています。

気候変動対応部会の活動状況

2020年度の主な活動テーマとして、気候変動問題に関連した事業への中長期的な影響の検討及び温室効果ガスの削減目標について検討を進めています。
事業への中長期的な影響の検討については、各事業における気候変動関連のリスクと機会を特定し、それらが事業にどのようなインパクトを持つのかを分析した上で、どのように対応していくかの検討を行います。TCFD提言において開示推奨されている戦略立案に用いられるシナリオ分析を実施し、特に重要と思われるものについて、今後開示していく予定です。
また、温室効果ガスの削減目標の検討については、会社の目指す姿である「脱炭素社会の構築に貢献」に向けた中長期の全社目標を設定することを目指し、省エネや既存技術の活用に加え、イノベーションのための研究開発や設備投資なども含めて検討および協議を進めています。

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グループにおける水に関するマネジメント

当社グループにおける水使用量の大部分(約91%)は冷却水としての海水であり、淡水(工業用水や地下水等)の使用量は相対的に少ないものとなっています。しかし、淡水の不足は事業活動に影響をおよぼすおそれがあるため、当社グループの事業運営では、必要な水量および水質を確保することが不可欠です。また、台風や豪雨による洪水災害といった近年の頻発する水関連の問題とそれに伴う影響の大きさを考慮し、これらに対するリスク管理を行っています。
事業所では水リスクの低減策をそれぞれ進めており、水資源確保への対策については水の循環利用や水使用量の少ない設備の導入・更新等による節水に取り組み、洪水対策については建屋・ポンプ・電気設備等の嵩上げや排水ポンプの設置、増水を想定した訓練等に取り組んでいます。また、事業所からの排水水質異常や水質事故の防止のため、法規制を上回る独自の排水基準の設定による管理、水質異常時に検知できるセンサー・自動排水停止システムの導入等に取り組んでいます。

水リスク評価の取組み状況

当社グループ全体における水リスクの低減に向けて、製造事業所(一部、研究機関も含む)における水リスクの状況を把握するために、世界資源研究所(WRI)が開発した水リスク評価ツール「Aqueduct(アキダクト)」による評価と、Aqueductで特定されたリスクに対して、事業所個別の詳細な状況を把握するためのヒアリングを2019年度に行いました。

Aqueductにより、水資源確保に関するリスク、河川洪水または高潮洪水の影響を受けるリスク等、水リスクに関わるそれぞれの項目について、事業所個別のリスク大小の評価を行いました。この結果、海外に所在する事業所での水資源・洪水・水質いずれかの項目、日本国内に所在する事業所での洪水の項目において、リスクランクが高い傾向の地域に所在する事業所があることが判明しました。

水リスクの1項目における事業所別ランク

水リスクの1項目における事業所別ランク

※ リスク項目毎に事業所別のリスクランクをグラフ化して可視化している例。
事業所毎のリスクランクは非開示のため、画像に処理を加えています。

Aqueductによる水リスク評価の結果を踏まえ、水リスクに関わる項目の、各事業所における過去の発生状況やリスク低減のため各事業所での対策の実施状況等に関するヒアリング調査を実施しました。
ヒアリングの結果、Aqueductによりリスクランクが高いとされた事業所では、水リスクの発生履歴はない、または個別にリスク低減策がとられているため、大きな懸念はないと判断しています。

今後は、Aqueductでのリスク評価結果に対して、ヒアリング結果から明らかになった各事業所での水リスクの詳細な状況を考慮した上で、当社で把握している各事業所の水使用量・水質汚濁物質負荷量の情報を加味するなど、当社グループの事業に合った評価手法の検討を継続するとともに、水リスク低減への活用を進めていきます。

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地球温暖化防止と循環型社会構築への総合的な取り組み

2019年度の温室効果ガス削減活動

温室効果ガス総排出量(単体+主要連結子会社)

2019年度の当社グループ全体での温室効果ガス排出量(単体+主要連結子会社)は11,044千トンでした。前年度比で443千トン減少しました。

グラフ

エネルギー起源温室効果ガス排出量の推移(単体)

2019年度の当社単体でのエネルギー起源温室効果ガス排出量は、3,204千トンでした。前年度比で224千トン減少しました。

グラフ

※ 非エネルギー起源の温室効果ガス排出源は原料等で使用される石灰石が主要なものですが、 代替や削減が困難であることから、省エネルギーを通じた削減努力が確認できるエネルギー起源温室効果ガス排出量を対象としています。

温室効果ガス排出原単位の推移(単体)

単体の温室効果ガス排出量は、前年度対比▲394千tCO2 (▲5%)の削減となり、これはセメント生産量の減少が主な要因です。また、原単位は直島製錬所の改善(前年度対比79%)の影響により0.8%改善されました。

温室効果ガス排出原単位の推移(単体)

エネルギー原単位の推移(単体)

セメント生産量の減少によりエネルギー使用量は前年度対比▲4%減少しましたが、廃プラ・再生油の熱エネルギー代替物の使
用量増加もあり原単位は▲0.7%改善されました。 事業者クラス分け評価:Sクラス(Sクラス:過去5年平均で1%以上の原単
位改善必要)となりました。

エネルギー原単位の推移(単体)

※ エネルギー原単位は、日本の省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)の下で定められている定期報告書作成要領に従い算出。当社は事業内容が多様なため、事業毎に「エネルギーの使用と密接な関係を持つ値」を設定し、計算式の分母として使用しています。各事業のエネルギー原単位の対前年度比と、各事業で使用するエネルギーの全社に占める割合とを掛け合わせて事業別の寄与度を求め、その合計が全社の原単位(前年度比)となります。温室効果ガス排出原単位も同様に算出しています。

2019年度温室効果ガス総排出量内訳[千t-CO2e]

分類 単体 国内グループ 海外グループ
SCOPE1
(直接)
エネルギー起源
(燃料等)
2,678 544 690 3,912
非エネルギー起源 プロセス 3,854 173 674 4,701
廃棄物 462 259 20 741
その他ガス 19 38 3 61
(参考)
非エネルギー起源合計
4,336 470 697 5,503
小計 7,014 1,014 1,387 9,415
SCOPE2(間接)*1 エネルギー起源
(電力等)
525 541 562 1,629
(参考)エネルギー起源合計 3,204 1,085 1,252 5,541
合計 7,540 1,555 1,949 11,044
  • ※ 「グループ会社」は連結子会社129社(国内63社、海外66社)を含んでいます。
  • ※ 「温室効果ガス排出算定・報告マニュアル」Ver.4.6 によりデータを算出しています。
  • ※ 「SCOPE2(間接)*1」は市場別(market base)排出量を表示。地域別(location base)では1,719[千t-CO2e]
  • ※ エネルギー原単位は、日本の省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)の下で定められている定期報告書作成要領に従い算出。当社は事業内容が多様なため、事業毎に「エネルギーの使用と密接な関係を持つ値」を設定し、計算式の分母として使用しています。各事業のエネルギー原単位の対前年度比と、各事業で使用するエネルギーの全社に占める割合とを掛け合わせて事業別の寄与度を求め、その合計が全社の原単位(前年度比)となります。温室効果ガス排出原単位も同様に算出しています。

各事業における主要な取り組み

当社の製造事業所・⼯場は、徹底した省エネルギーの追求を重要課題と捉え、省エネ活動を進めています。
具体的には、燃料の⾒直し、未利⽤エネルギーの利活⽤、⼯程・設備の改善、⾼効率機器の導⼊、機器仕様の適正化、設備運転制御・操業形態の⾒直し等の視点で活動を⾏っています。本社・⽀店・営業所や、研究所等の⼩規模な事業所でも、LED照明導⼊等の省エネの取り組みを継続しています。

2020年に向けた目標と2019年度の達成実績

持続可能な社会の実現を視野に「地球温暖化防止」について、2020年に向けた目標を設定し、設備の省エネ化等、エネルギー効率の徹底追求に取り組んでいます。13の事業所(セメント事業は5つの事業所をひとまとまりとして管理)で目標の達成状況を管理しており、2019年度については2つの事業所が達成率100%を超えましたが、残りは50%未満でした。このようなCO2排出削減のための取り組みに加え、循環型社会に貢献する分野においても、循環資源の有効活用等について、明確な目標を設定して進めています。

2020年に向けた目標と2019年度の達成実績

※達成度については、次のとおり定めています。 2020年目標の達成に向けた2018年度末達成目安に対し、☆☆☆☆:100%以上、☆☆☆:80%以上、☆☆:50%以上、☆:0%以上~50%未満。

セメント事業

粉砕機の適正保守、排熱発電設備の保守見直し、電気機器の効率化、照明のLED化等による電力消費量の削減や熱エネルギー代替資源の使用量増加、焼成設備の省エネ改造、革新的技術となる低温焼成技術の導入に取り組むなど、エネルギー利用効率の向上を図っています。

金属事業

コンプレッサ関係設備の省エネ、変圧器・モーターの高効率化、照明のLED化等による電力消費量削減、各種炉の操業見直しによる重油消費量削減に取り組み、エネルギー利用効率の向上を図っています。

高機能製品・加工事業

水ポンプ制御の改善、空調・冷凍設備、コンプレッサ関係設備の省エネ、高効率電気機器の導入、照明のLED化、各種処理工程の改善等による電力消費量削減、ボイラー・廃熱回収設備の最適制御等に取り組み、エネルギー利用効率の向上を図っています。

第10回エコ・コンテスト

当社グループは、各事業所における地球温暖化防止や資源循環・環境保護に貢献する活動を促進するための表彰制度として、2010年度より実施しています。2019年度の表彰結果は以下のとおりです。

最優秀場所賞:ユニバーサル製缶㈱ 岐阜工場

ユニバーサル製缶㈱では「人と社会と地球にやさしい飲料容器の提供」を企業理念に掲げ、環境負荷の低減を追及するために環境重点取組みとして「省エネ推進」「水質管理」「廃棄物削減」に取り組んでおります。場内照明のLED化・オーブン循環ファンのインバータ化など他工場でも実施されている良い取り組みを水平展開しつつ、都市ガス化への燃料転換に合わせ蒸気ボイラの高効率機器への更新、排水処理場においては加圧浮上装置の導入・フィルタープレスの更新による薬品使用量の削減と排水処理汚泥の削減、アルミ缶回収活動の継続などの取り組みにより、エネルギー原単位の削減・廃棄物原単位削減などの着実な活動成果を評価いただきました。これからも“Can For You!”を合言葉に、そして「ユニ缶でよかったね」と言われる活動を続けます。

省エネ大賞:九州工場(苅田地区)

九州工場では廃棄物やリサイクル資源を積極的に利用して環境負荷低減ならびに省エネルギーを推進しています。廃プラスチックの更なる処理量増加を目指し、2017~2018年度にかけて破砕・輸送設備の増強、ならびに処理量増加を阻害するプロセス上の課題を改善しました。この廃プラ増量による熱エネルギー原単位削減だけでなく、香川県豊島の不法投棄廃棄物の処理、また九州北部豪雨の災害廃棄物の処理、これら環境回復や被災地復興に貢献したことも評価されました。

物流における取り組み

2019年度の当社物流におけるCO2排出量は、単体では43,340t(前年比1,516t減)、当社グループ※1合計では79,443t(前年比924t減)となりました。またエネルギー消費原単位※2は、当社では16.02kℓ/百万トンキロ(前年比0.2%=悪化)、当社グループ合計では20.16kℓ/百万トンキロ(前年比1.6%悪化)となりました。
今後も、長距離輸送を中心にモーダルシフトを進めるとともに、グループ全体での物流最適化を通じて、環境負荷の小さい物流の構築に努めます。

  • ※1 当社グループ算定対象は国内グループ会社のうち、エネルギーの使用の合理化に関する法律上の特定荷主である6社としており、当社と合わせた排出量は、当社グループ全体の排出量の9割以上を占めています。
  • ※2 使用エネルギー量を原油量換算(kℓ)し、輸送トンキロ(百万トンキロ)で割った値。
     

輸送モード別CO2排出量の推移(単位:t-CO2

  2018年度 2019年度
単体 グループ会社※1 単体 グループ会社※1
総量 44,856 34,587 43,340 35,179
トラック 9,265 27,170 8,705 28,340
鉄道 35,534 7,388 34,579 6,810
船舶 1 29 3 29
航空 56 0 53 0

「脱炭素社会実現に貢献する製品やサービス」

当社グループは、気候変動への対応を脱炭素社会の構築に向けた重要な経営課題のひとつとして捉え、環境負荷低減を考慮したものづくりや地熱等再生可能エネルギーの開発・利用促進に取り組んでいます。

次世代自動車に必須となる要素技術開発

当社は中期経営戦略において「次世代自動車」、「IoT・AI」、「都市鉱山」及び「クリーンエネルギー・脱炭素化」を、当社グループが捉えるべき社会ニーズと捉えています。「次世代自動車」及び「IoT・AI」については、銅・アルミ加工品、シール、耐摩工具及びセンサなどの事業領域を拡大させると共に、新たな製品・事業を展開していきます。また、「都市鉱山」及び「クリーンエネルギー・脱炭素化」については、リサイクル、再生可能エネルギー及び水素社会関連事業などの中から、新製品・新事業を創出していきます。
具体例としては、2019年以降に次世代自動車向けに、車載用高輝度LED向けメタルベース基板、高耐熱・高絶縁性樹脂の均一電着コーティング技術、次世代型パワーモジュール向け焼結型接合材料の発表を行っています。当社は、これら次世代自動車に必須となる要素技術開発を進めることで、普及を推進しています。今後、これらの技術を2050年頃までに段階的に実用化が出来るよう開発を継続していきます。

車載用高輝度LED向けメタルベース基板

次世代自動車のヘッドランプでは、省エネルギー化のために、従来の光源に代わり、高輝度LEDの採用が進んでいます。当社は、高輝度LEDに要求される高い放熱性を持ちながらも従来のセラミック基板よりも低コストであるメタルベース基板の開発を行いました。
今後は、実用に耐える基板となるよう信頼性の構築を行い、量産化プロセスを立ち上げ、2022年頃までに実用化・普及を目指します。

高耐熱・高絶縁性樹脂の均一電着コーティング技術

次世代自動車の高出力モータ電源制御用インバータで用いられるパワーインダクターやリアクトル、モータに用いられるコイルには、高温下での高い絶縁信頼性が要求されます。
近年、それらコイルデバイスの更なる小型化に伴い、従来よりも複雑な形状の導体に絶縁加工を施すコーティング技術が求められています。当社は、複雑形状に対しても、高耐熱・高絶縁性を有する樹脂皮膜を均一にコーティングできる電着技術を開発しました。
今後は、電着加工の量産プロセス構築と共に更なる皮膜特性の高度化を行い、2022年頃までにコイル部材への適用を目指します。

次世代型パワーモジュール向け焼結型接合材料

次世代自動車の高出力モータ電源制御用インバータで用いられる次世代型パワーモジュールでは、銅部材へのSiCなど高温動作半導体素子の接合において高機能化の要求があります。従来は基板表面に金や銀などの貴金属メッキを施し、加熱しながら加圧する必要がありました。当社は、基板表面の銅部材へ貴金属をメッキすることなく無加圧で接合でき、かつ従来品と同等の接合強度と耐熱性を発揮できる接合材を開発しました。
今後は、更なる信頼性の向上及びプロセスの最適化を行い、2021年頃までに実用化・普及を目指します。

地熱発電事業拡大

現在操業中の地熱発電所の安定操業を永続的に維持していくとともに、現在建設中及び調査準備中の地域において新規地熱発電所を順次立上げ、温室効果ガスの削減に貢献します。 
発電所建設に当たっては、現在当社グループが保有する資源探査技術、資源開発技術、プラントエンジニアリング技術、操業管理技術をブラッシュアップし、より低コストで効率的な地熱発電所を目指します。 
地熱発電は、ライフサイクルCO2排出量が再生可能エネルギーの中でも水力発電と同様に極めて少なく、世界でも有数の資源量を有する国産エネルギーであり、かつ天候に左右されない安定電源であるという特徴を持っています。
当社は、1974年に国内で3番目の地熱発電所である大沼地熱発電所(秋田県鹿角市、9.5MW)の運転を開始し、1995年に東北電力澄川地熱発電所(秋田県鹿角市、50MW)への蒸気供給事業を三菱ガス化学㈱と共同で開始しました。また、2019年5月には、電源開発㈱、三菱ガス化学㈱が共同出資する湯沢地熱㈱が、山葵沢地熱発電所(秋田県湯沢市、46.2MW)の運転を開始しました。さらに、2019年8月に三菱ガス化学㈱、電源開発㈱が共同出資する安比地熱㈱が、安比地熱発電所(岩手県八幡平市、14.9MW)の建設に着手し、2024年に運転を開始する予定です。各発電所とも豪雪地帯に位置しており、特に安比地熱発電所は、国内で最も標高が高く4mを超える積雪が予想されるため、建設・操業とも極めてチャレンジングとなります。
地熱発電は、地下から蒸気や熱水を取り出して発電する方法であるため、地下資源の探査・開発技術が成功のカギを握ります。当社は、鉱山開発で長年培った地下資源探査・開発技術をブラッシュアップし、東北地方を中心に日本全国で新規地域の地熱調査を進めて有望な地熱資源を発掘し、順次地熱発電所を立ち上げていくことを計画しています。すでに複数の地域で予備的調査を行っており、準備が整ったところから順次坑井掘削を伴う本格的な調査を開始する予定です。

「脱炭素社会の構築に向けて『チャレンジ・ゼロ』に参画」

当社グループは、一般社団法人日本経済団体連合会(以下「経団連」)が策定した「チャレンジ・ゼロ」に参画し、脱炭素社会の構築に貢献する当社の技術、製品、サービス等を国内外に発信していくとともに、今後は同業種・異業種・産学官等との連携も積極的に行っていくことで、気候変動関連の課題解決により一層力を入れて取り組んでいきます。
当社グループの「チャレンジ・ゼロ」における具体的な取組みは、経団連のチャレンジ・ゼロ公式ウェブサイトより発信いたします。

  • ※ 経団連が日本政府と連携し、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」が長期的なゴールと位置付ける「脱炭素社会」の実現に向け、企業・団体がチャレンジするイノベーションのアクションを国内外に発信し、後押ししていくことを目的としたプロジェクト。

二酸化炭素の「分離回収・貯留」と「有効利用」に向けて 〜 技術力を活かす2つのアプローチ ~

当社グループは、創業当初から培ってきた地下構造の評価における優れた技術や人的資源を活かし、生産活動等で生じた二酸化炭素(CO2)の放出を低減するため、2つのアプローチから検討を進めています。

二酸化炭素分離回収・貯留(CCS:Carbon dioxide Capture and Storage)

経済産業省主導のもと、2008年5月に設立された日本CCS調査(株)に出資し、同社を通じて、苫小牧CCS大規模実証試験、二酸化炭素貯留適地調査事業に参画しています。同社では、2019年11月にCO2の30万トンの圧入を達成しました。また、2016年度からの環境省・環境配慮型CCS実証事業では、CO2貯留の評価検討に貢献しています。

CCS概念図CCS概念図

苫小牧CCS実証試験プラント苫小牧CCS実証試験プラント

画像及び写真提供:日本CCS調査(株)殿

有効利用(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)

<CO2を利用した藻類由来のバイオプラスチック実用化に向けて>
環境省プロジェクト「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業:2017~2019年度」において、筑波大学、NEC、藻バイオテクノロジーとの共同研究「藻類バイオマスの効率生産と高機能性プラスチック化による協働低炭素化技術開発」を終了しました。
昨年度までの小型試験をベースに、今年度は弊社セメント製造工場において容積2000Lの反応槽を複数用いた連続処理を実施し、回収した約4kgのCO2から約1kgのバイオプラスチックの割合で製造できることを確認しました。研究成果は環境省に提出し評価を完了しました。
セメント製造工程から発生するCO2を利用したバイオプラスチックは石油合成系プラスチックの代替性能を有し、低炭素・循環型社会に貢献するひとつの方法を示すことができました。

培養タンク培養タンク

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再生可能エネルギーの創出

地熱発電事業

既存発電所の安定的な操業に向けて

当社は、秋田県鹿角市八幡平地区に大沼地熱発電所と澄川地熱発電所(蒸気供給のみ;発電は東北電力(株))を有し、また、秋田県湯沢市高松・秋ノ宮地区の山葵沢地熱発電所(電源開発(株)及び三菱ガス化学(株)とともに設立した湯沢地熱(株)が所有)が2019年5月20日に営業運転を開始し、安定したクリーンな電力を生み出しています。2019年度の総発電電力量は601GWhであり、当社地熱発電所および蒸気供給設備の操業によるCO2排出削減効果は約19万t(※ 東北電力(株)澄川発電所分、湯沢地熱(株)山葵沢地熱発電所当社持分より算出)に相当します。
地熱発電は、見えない地下の状況を把握して、蒸気を継続的かつ安定的に供給することが重要です。澄川地熱発電所においては、今後も発電電力量の向上を目指して、運転開始以降のデータの精査、地質構造の再解析等で地下の状態の把握に努め、また現場での安定操業を継続します。

新たな地熱開発に向けて

当社では既存の発電所操業に加え、新規プロジェクトにも取り組んでいます。電源開発(株)及び三菱ガス化学(株)とともに設立した湯沢地熱(株)は、2015年5月に山葵沢地熱発電所の建設を開始し、2019年5月20日に営業運転を開始しました。また、2015年10月には三菱ガス化学(株)とともに安比地熱(株)を設立、2018年6月に電源開発(株)が加わり3社で事業化を推進し、2019年8月に建設工事を開始しています。
このほか、福島県磐梯・吾妻・安達太良地域においても他社と共同で調査を継続中です。更に、秋田県鹿角市菰ノ森地域について、地元の皆様の理解を前提に調査を行いたいと考えています。

新規地熱プロジェクト

新規地熱プロジェクト

水力発電事業

当社の水力発電事業の歴史は1898年からと古く、秋田県において、尾去沢鉱山(金鉱山として開山、後に銅鉱山として操業し、1978年に閉山)の動力用電力の供給等を目的として水力発電所が7ヵ所建設されました。そのうち1ヵ所はダム建設により2000年に水没補償されたため、現在6ヵ所が稼働中であり、発電された電力の全量を電力会社に売電しています。2014年から水力発電所の高経年対策として3ヵ所の設備更新が無事完成し、2018年3月に、大湯発電所(鹿角市)の更新が終了しました。また、2019年5月に、秋田県北秋田市小又川水系において、1953年(昭和28年)に完成した小又川第四発電所以来の新規水力発電所となる小又川新発電所の建設を開始しました。今後も、更なる安定操業及び安定収益の確保を目指します。
2019年度の全6ヵ所の水力発電所による発電電力量は82GWh であり、当社の水力発電所操業によるCO2排出削減効果は約5万tに相当します。

大湯水力発電所大湯水力発電所

太陽光発電事業

2013年より、当社グループの遊休地を活用して、新たに太陽光発電事業に着手し、三菱UFJリース(株)との合弁事業として2017年までに真壁(茨城県)、福井、鳥越(福岡県)、入釜(宮城県)、矢吹(福島県)の5ヵ所で発電所を建設し、順調に運転を継続しています。2019年度の全5ヵ所の太陽光発電所による発電電力量は29GWhであり、これらの発電所操業によるCO2排出削減効果(当社分)は約1万tに相当します。

矢吹太陽光発電所矢吹太陽光発電所

再生可能エネルギーによるCO2排出削減効果

再生可能エネルギーによるCO2排出削減効果(発電所持分を考慮)

再生可能エネルギーによるCO<sub>2</sub>削減量

※ 最新の(財)電力中央研究所(2010)のデータを用いて再計算しています。

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地中熱ヒートポンプシステム

再生可能エネルギー熱である地中熱利用の普及により、脱炭素社会の実現に貢献

三菱マテリアルテクノ(株)は、トータルエンジニアリング企業として、2000年から再生可能エネルギー熱である地中熱事業に参入し、企画提案から調査・設計・施工・メンテナンスまでを一貫して提供しています。
地中熱技術力No.1を目指し続け、国プロ等による継続的な技術開発と特許技術の保有により、一般的な「ボアホール方式」のみならず、「基礎杭方式」、「水平方式」、「土留壁方式」と多様な熱交換方式を実用化し、地中熱のインフラ化に成功しました。現在は、これらの技術を“都市インフラ活用型地中熱利用システム”として営業展開しており、将来的には「スマートシティへの貢献」を目指しています。
同社の地中熱導入実績は約120件となり、2019年度には八幡平市立西根病院新築現場でボアホール方式(深度100m×120本)と水平方式(敷設溝長さ約100m×9ユニット)の組み合わせによる日本最大規模の案件が竣工し、横浜市新市庁舎現場で基礎杭方式(場所打ち杭66杭)による首都圏最大級の案件が竣工するなど、地中熱の大規模化が進みつつあります。今後は、地下水を直接汲み上げて利用するオープンループの企画提案を強化する予定です。

都市インフラ活用型地中熱利用システムの概要図

都市インフラ活用型地中熱利用システムの概要図

熱交換方式種類と各実績の一例

熱交換方式種類と各実績の一例

三菱マテリアル株式会社