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脱炭素社会実現に向けた取り組み

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「伝熱パテ」の使用イメージ

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次世代型パワーモジュール向け焼結型結合材料

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大湯水力発電所

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都市インフラ活用型地中熱利用システムの概要図

脱炭素社会実現に向けた取り組み

「脱炭素社会実現に貢献する製品やサービス」

当社グループは、気候変動への対応を脱炭素社会の実現に向けた重要な経営課題のひとつとして捉え、環境負荷低減を考慮したものづくりや地熱等再生可能エネルギーの開発・利用促進に取り組んでいます。

火炎に接しても燃えず、溶け落ちにくい耐火性軽量新素材「耐火プラスチック」

写真成形した耐火プラスチック

近年、電気自動車(EV)のリチウムイオン電池(LIB)は高容量化が進んでおり、LIB発火時の危険性が増大しています。一方で、航続距離延伸を目的に、車体の軽量化が要求されています。
樹脂材料は軽量化を目的にさまざまな製品で利用されており、火炎に耐えられる樹脂材料としては、現在、難燃性樹脂が広く市販されています。しかし、従来の難燃性樹脂では火力の高い火炎に対しては耐えることが難しいため、安全性を重視する部品には依然として金属が採用されており、軽量化が進んでいない状況です。
当社は、軽量でありながら火炎に接しても燃えず、溶け落ちにくく、成形容易な「耐火プラスチック」を得る技術を開発しました。EVのLIBケースの蓋などに使用した際には、発火時の火炎の広がり防止が期待されます。今後は、この技術を活用した製品化に取り組んでいきます。

革新的サーマルマネジメント技術である、高効率な熱電発電技術の創出

写真熱電発電モジュール

カーボンニュートラル実現のため、未利用熱・廃熱を有効活用する熱電発電技術の普及が待望されています。低い発電コストにて、大きな温室効果ガス(GHG)削減効果を得るためには、高い変換効率を有する熱電発電素子およびモジュールが必要です。
当社では、従来とは異なる独自の材料設計を実施し、環境にやさしい材料を用いて、従来を凌駕する性能かつ長期高信頼性を有する熱電発電技術の創出に挑み、太陽光発電と同等レベルの変換効率の実現に向け開発を進めています。この技術が実用となれば、工場の設備管理から自動車、IoT通信機器と多岐にわたる用途にて展開され、例えば、熱電のみで電子機器を駆動、系統電力への売電など、これまで困難とされた機能の実現も期待されます。この革新的サーマルマネジメント技術の実用化に向けて、事業開発を進めていきます。

  • ※ 熱電発電技術:温度差を利用して、熱エネルギーを電気エネルギーへ変換する技術
可視光で光触媒活性を示す、新規酸化スズの合成に成功

写真直方晶Sn3O4の結晶構造および電子構造
出典: Y.S. Liu, et al., Angew. Chem. Int. Ed. 2023, 62, e202300640.

当社と東京工業大学・宮内教授のグループ、防衛大学校・田邉准教授は共同研究において、酸化スズの新しい結晶多形である直方晶の四酸化三スズ(Sn3O4)の合成とともに、第一原理計算によりその機能発現メカニズムの解明に成功しました。
人工光合成の実用化には可視光を吸収して光触媒活性を示す安価で安定な半導体が不可欠ですが、そのひとつとして単斜晶のSn3O4が報告されていました。一方、本研究では、これまでに報告例のない直方晶のSn3O4を簡易な水熱法で合成しています。この直方晶Sn3O4は従来の酸化スズよりも幅広い可視光を吸収することができ、また伝導帯のレベルが高く励起電子の還元力が強いため、二酸化炭素を還元できる光触媒として機能します。さらに本成果では、水熱合成条件を制御することで結晶多形をつくり分けることができ、この知見はこれまでに報告例のない酸化スズ以外の結晶多形や新物質の合成にもつながることが期待されます。

経済産業省「GXリーグ基本構想」に賛同

当社は、2022年4月、経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」に賛同し、2023年5月にはGXリーグの参画企業へと移行しました。「GXリーグ」とは、GX(グリーントランスフォーメーション)に積極的に取り組む企業が、行政や大学・公的研究機関、金融機関等のGXに向けた挑戦を行うプレイヤーとともに、一体として経済社会システム全体の変革のための議論と新たな市場の創造のための実践を行う場として設立されたものです。参画企業にはカーボンニュートラルの実現に向けて、自社の排出量削減に向けた取り組みだけではなく、サプライチェーンや生活者、市民社会等幅広い主体と協働し、先導する役割が期待されています。当社もサプライチェーン企業への働きかけを含めた排出量削減努力を進めており、また、GXリーグが進める排出量取引制度(GX-ETS)の制度構築に向けた議論の過程においては、より良い制度とするためにコメントや意見の提出も行っています。

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再生可能エネルギーの創出

当社では、鉱山や製錬所に必要な電気を供給するため、再生可能エネルギーの開発を進めてきました。これまでに、培ってきたノウハウを活かして、環境影響の少ないエネルギーを安定供給するため、地熱発電、水力発電等を中心とした再生可能エネルギーの創出を進めています。

地図

地熱発電事業

既存発電所の安定的な操業に向けて

当社は、秋田県鹿角市八幡平地区に大沼地熱発電所と澄川地熱発電所(蒸気供給のみ;発電は東北電力(株))を有し、また、秋田県湯沢市高松・秋ノ宮地区の山葵沢地熱発電所(電源開発(株)および三菱ガス化学(株)とともに設立した湯沢地熱(株)が所有)が2019年5月20日に営業運転を開始し、安定したクリーンな電力を生み出しています。2022年度の総発電電力量は604GWh(当社持ち分等を考慮した場合、うち322GWh)であり、当社地熱発電所および蒸気供給設備の操業によるCO2排出削減効果は約136万t(東北電力(株)澄川地熱発電所分、湯沢地熱(株)山葵沢地熱発電所当社持分より算出)に相当します。
地熱発電は、見えない地下の状況を把握して、蒸気を継続的かつ安定的に供給することが重要です。澄川地熱発電所においては、今後も発電電力量の向上を目指して、運転開始以降のデータの詳細な検証、地質構造の再解析等で地下の状態を把握し、現場での安定した操業を継続します。

新たな地熱開発に向けて

当社では前項の地熱発電所に加え、新規プロジェクトにも取り組んでいます。電源開発(株)および三菱ガス化学(株)とともに設立した湯沢地熱(株)は、2015年5月に山葵沢地熱発電所の建設を開始し、2019年5月20日に営業運転を開始しました。また、2015年10月には三菱ガス化学(株)とともに安比地熱(株)を設立、2018年6月に電源開発(株)が加わり3社で事業化を推進し、2019年8月に建設工事を開始しています。当社は、2021年8月から大沼地熱発電所の北東に位置する菰ノ森地域(鹿角市)において、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の助成金を活用した地熱資源量調査を開始しました。また、2022年6月からは安比地熱発電所の東側に位置する安比川上流地域(八幡平市)において、JOGMECの助成金を活用した地熱資源量調査を開始済みです。さらに、2022年5月に恵山地域(函館市)の地熱調査・開発を手掛ける合同会社はこだて恵山地熱に出資し、(株)レノバおよび大和エナジー・インフラ(株)とともに資源調査、環境影響評価を経て地熱発電所の建設に携わっています。
また、福島県吾妻・安達太良地域においても他社と共同で調査を継続しています。

山葵沢地熱発電所山葵沢地熱発電所(秋田県)
事業主体:湯沢地熱(株)
2019年5月運転開始
出力:46,199kW

安比地熱発電所(岩手県、建設中)安比地熱発電所(岩手県)
事業主体:安比地熱(株)
2024年4月運転開始予定
出力:14,900kW

北海道函館市恵山地域における新規地熱開発へ参画中

当社は、2022年5月、(株)レノバ(東京都中央区、代表取締役社長CEO 木南陽介)、大和エナジー・インフラ(株)(東京都千代田区、代表取締役社長 松田守正)の新たな事業パートナーとして、「合同会社はこだて恵山地熱」へ出資しました。同社は2016年の設立以来、北海道函館市恵山地域での新規地熱発電所開発を目指して事業開発を進めています。
当社は、長年にわたる炭鉱や金属鉱山の開発・経営を通じて培った豊富な経験と高い技術力を水力、地熱発電に活かしています。地熱発電に関しては、1974年に大沼地熱発電所(秋田県)の運転を開始して以来、澄川地熱発電所(秋田県、1995年運転開始)、山葵沢地熱発電所(秋田県、2019年運転開始)、安比地熱発電所(岩手県、2024年運転開始予定)の建設・操業に中核として関わっています。
当社は、これまでも「地熱等再生可能エネルギーの開発・利用促進」に取り組んでおり、本事業についても出資を通じて当社の経験と技術力を活かし、プロジェクトの成功に貢献します。

写真掘削調査の様子

水力発電事業

当社の水力発電事業の歴史は1898年からと古く、秋田県において、尾去沢鉱山(金鉱山として開山、後に銅鉱山として操業し、1978年に閉山)の動力用電力の供給等を目的として水力発電所が7ヵ所建設されました。そのうち1ヵ所はダム建設により2000年に水没補償されたため、現在6ヵ所が稼働中であり、発電された電力の全量を電力会社に売電しています。2014年から水力発電所の高経年対策として3ヵ所の設備更新が無事完成し、2018年3月に、大湯発電所(鹿角市)の設備更新が終了しました。また、2019年5月に、秋田県北秋田市小又川水系において、1953年(昭和28年)に完成した小又川第四発電所以来の新規水力発電所となる小又川新発電所の建設を開始し、2022年12月に運転を開始しました。また、2021年度から1,000kW前後の小規模な水力発電所の新設を目指して、複数の地点で調査を開始しています。
2022年度の全6ヵ所の水力発電所による発電電力量は92GWhであり、当社の水力発電所操業によるCO2排出削減効果は約4万tに相当します。

小又川新水力発電所(秋田県)小又川新発電所(秋田県)
事業主体:三菱マテリアル(株)
2022年12月運転開始
出力:10,326kW

太陽光発電事業

2013年より、当社グループの遊休地を活用して、新たに太陽光発電事業に取り組んできました。三菱HCキャピタル(株)との合弁事業として2017年までに真壁(茨城県)、福井、鳥越(福岡県)、入釜(宮城県)、矢吹(福島県)の5ヵ所で発電所を建設し、順調に運転を継続しています。2022年度の全5ヵ所の太陽光発電所による発電電力量は28GWh(うち当社持分は14GWh)であり、これらの発電所操業によるCO2排出削減効果(当社持分)は約1万tに相当します。

入釜太陽光発電所入釜太陽光発電所(宮城県)
事業主体:エルエムサンパワー(株)
2015年1月運転開始
出力:6,930kW

バイオガス発電事業

当社の連結子会社として2018年に設立したニューエナジーふじみ野(株)において、食品廃棄物の処理により得られたバイオガスを用いて発電(出力550kW)を行っています。2022年度のバイオガス発電による発電電力量は2GWh(うち当社持分は2GWh)です。

写真

再生可能エネルギーによるCO2排出削減効果

再生可能エネルギーによるCO2排出削減効果(発電所持分を考慮)

グラフ

  • ※ 経済産業省(METI)が定める商用電力のCO2排出係数を基に再計算しています。

再生可能エネルギーの発電目標および実績

グラフ

  • ※ 地熱発電所への蒸気供給(蒸気を電力量換算で販売)

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地中熱ヒートポンプシステム

再生可能エネルギー熱である地中熱利用の普及により、脱炭素社会の実現に貢献

三菱マテリアルテクノ(株)は、トータルエンジニアリング企業として、2000年から再生可能エネルギー熱である地中熱事業に参入し、企画提案から調査・設計・施工・メンテナンスまでを一貫して提供しています。
地中熱技術力No.1を目指し続け、国プロ等による継続的な技術開発と特許技術の保有により、一般的な「ボアホール方式」のみならず、同社の特許工法である「基礎杭方式」「水平方式」「土留壁方式」と多様な熱交換方式を実用化し、地中熱のインフラ化に成功しました。現在は、これらの技術を“都市インフラ活用型地中熱利用システム”として営業展開しており、将来的には「スマートシティへの貢献」を目指しています。
同社の地中熱導入実績は約130件あり、2020年以降では、八幡平市立病院でボアホール方式(深度100m×120本)と水平方式(敷設溝長さ約100m×9ユニット)の組み合わせによる日本最大規模の案件が竣工し、横浜市役所で基礎杭方式(場所打ち杭66杭)による首都圏最大級の案件が竣工する等、地中熱の大規模な活用が進みつつあります。なお、「横浜市役所の環境・設備計画と実施」の業績については、横浜市や(株)竹中工務店らとともに(公社)空気調和・衛生工学会の第60回学会賞技術賞(建築設備部門)を2022年5月に同社が受賞しました。これからも再生可能エネルギーである地中熱利用の普及を通じて、脱炭素社会の実現に貢献していきます。

都市インフラ活用型地中熱利用システムの概要図

熱交換方式種類と各実績の一例

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二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)

二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)に向けて

二酸化炭素回収・貯留について、当社は、2008年5月に設立された日本CCS調査(株)に出資し、同社を通じて、苫小牧CCS大規模実証試験、二酸化炭素貯留適地調査事業に関与しています。二酸化炭素回収・有効利用については、工場から排出される二酸化炭素を回収する実証試験を開始しています。(詳細は、下記リンクをご参照ください)

三菱マテリアル株式会社